◆米仏両国の経済関係改善を目的とした関係文書を蒐集する作業
米国は20世紀前半に至るまでフランスの最恵国待遇国ではなく、両国の経済関係は良好とは言い難い状態が続いていました。この原因を探り、両国の経済関係改善の一助として、将来の政策担当者の利用に供するよう、パリの米国大使館に保管される両国の経済関係文書を蒐集する作業が始まりました。
収録文書は主としてワシントンの国務省とパリの米国大使館の間で交わされた書簡ですが、米国大使館とフランス外務省の間、国務省とワシントンのフランス大使館の間で交わされた書簡も含まれています。カバーされている期間は1811年から1930年までの120年間です。
文書は1931年に年代順に編纂され、索引が付された状態で18巻にまとめられましたが、流通されることはなく、国務省内で利用されてきました。各巻の構成は、第1巻:航海通商条約(1822年)/第1~2巻:ワインと綿花の損害賠償請求と関税に関する条約(1831年)、第3巻:1853年領事条約 I 領事その他の高官の義務と特権 、第3~4巻:1853年領事条約 II 個人と団体の権利、第5巻:マッキンリー関税法第3条に基づく1892年互恵通商協定/1898年互恵通商協定、第6巻:ディングレー関税法第4条の下での1899年7月24日の通商協定/1902年8月20日に締結された修正互恵通商協定/1908年1月28日に署名された追加通商協定/1909年8月5日の関税法の下での1910年協定/1822年6月24日の航海通商条約第7条の条項を修正する協定(1919年7月7日署名)、第7~8巻:1927年11月21日の暫定協定、第8巻:米国財務省捜査官、第9巻:フランス政府の制限措置 I 一般文書と訴状リスト、第9~10巻:フランス政府の制限措置 II 保健衛生上の制限措置、第11巻:フランス政府の制限措置 II 保健衛生上の制限措置(続) III その他の輸入制限措置 IV 戦時と移行期間の制限措置 V 煩雑な規制措置 VI 諸々の制限措置 VII 訴えに直接関係のない照会と文書、第12巻:フランスの関税に対する訴え I 税率の問題 II 差別的取扱いの訴えと最低税率適用の要請 III 分類の問題、第13巻:米国政府の制限措置 I 一般 II 特殊、第14巻:米国の税率に対する訴え I 一般 II 特殊/自動車/航空、第15巻:販売員とサンプル/保険会社/映画産業/特許、商標、工業所有権、著作権の保護、第16巻:石油産業/フランス株式市場上場証券/船舶、第17巻:電信ケーブル会社/植民地(アルジェリア、インドシナ、マダガスカル、モロッコ)、第18巻:植民地(モロッコ(続)、シリア、チュニス、西アフリカ、西インド、その他)となっており、関税、航海、漁業、米国産綿花の出荷、通商条約等、1811年から1930年の間の米仏経済関係が第一級の一次資料により浮き彫りにされます。
※本コレクションはマイクロフィルムUnited States and France: Correspondence Dealing with Economic Relations, 1811-1930をデジタル化したものです
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