「鉄のカーテン」の向こう側へ：冷戦下のソ連・東欧を読み解く英国外交文書アーカイヴ
本アーカイヴは、英国国立公文書館に所蔵されている冷戦期の東欧社会主義国家およびソ連に関する英国外務省政治部局の140万ページ以上に及ぶ文書を収録し、研究者に広範なアクセスを提供します。収録資料は、スターリン後の東欧における政治・経済・文化・社会・反体制派の動向など、「鉄のカーテン」の向こう側の実態を多角的に捉えたものであり、地域ごとの独自性と共通課題を総合的に考察するための貴重な一次資料群です。
収録文書は各国の大使館・領事館・外務省によって報告されたもので、指導者の動向、抗議運動、農業生産、国際貿易、科学技術、少数民族、宗教、スポーツイベント、国営メディア、ポップカルチャーなど、幅広いテーマを網羅しています。これにより、20世紀の国際関係、東欧史、ソビエト史、冷戦史、共産主義社会、スラブ研究、ドイツ研究など、多様な分野における学術的探究を支えるリソースとなっています。
特に注目すべきは、当時の政府関係者が一人称で記録した英文資料の豊富さであり、東ベルリン暴動、ハンガリー革命、中ソ対立の勃発、ベルリンの壁建設、ガガーリンの宇宙飛行、フルシチョフからブレジネフへの指導者交代、プラハの春、中ソ国境紛争、モスクワオリンピック、アフガニスタン紛争、ポーランドの戒厳令など、冷戦下の東欧圏における主要な出来事を詳細に追うことができます。
本アーカイヴは、英国国立公文書館から独占的に提供されており、冷戦期の東欧とソ連に関する理解を深めるための不可欠な資料群として、歴史研究・国際関係論・地域研究に携わる研究者にとって極めて有用な情報源です。
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