出版社 | (UPA, US) |
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ニュース番号 | <K11-317> |
ウイリアム・ハースト(1863~1951)は1880年の "San Francisco Examiner"紙の買収を皮切りに、ニューヨークに進出して "New York Morning Journal"を買収、次第に全国主要都市の新聞を傘下に収め大新聞王国を形成しました。センセーショナルなニューズ報道が特徴で "yellow journalism"と呼ばれるようになりました。オーソン・ウェルズの映画<市民ケーン>はハーストがモデルです。
彼の邸宅は蒐集した美術コレクションで知られていましたが、ハーストという人物の伝説的神秘的な雰囲気からコレクション自体もあいまいな分りにくいものでした。しかし彼のスタッフの一人がこのコレクションの大部分を写真に取り、記録簿をのこしており、そこには、ブロンクスの倉庫に蒐蔵されていた、絵画・彫刻・タピストリー・金銀細工・家具調度品・その他の装飾品などおよそ1万点の美術品が記録されていました。本資料はハースト・コレクションの写真と記録簿に加えて、大恐慌期にオークション・ハウスが作成したカタログもマイクロ化しています。これによってハースト・コレクションのほぼ全容が明らかにされ、美術史、文化史のうえでも貴重な資料となりました。またハーストという興味ある人物の審美眼、コレクターとしての鑑定力、美術品に対する批評眼も興味深く推し量ることができます。
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