| 出版社 | (UPA, US) |
|---|---|
| 出版年 | 2005 |
| ニュース番号 | <K05-323> |
PIN101096
キッシンジャーは1969年1月ニクソン政権発足とともに安全保障担当の大統領補佐官(兼:国家安全保障会議事務局長)となり、また1973年からは国務長官も兼務しニクソン及びフォード共和党政権の外交政策を担当しました。彼の外交スタイルは<キッシンジャー外交>と呼ばれ秘密主義外交であるとして議会やマスコミから批判を浴びましたが、アメリカの外交史上大きな成果をあげました。彼はヴェトナム戦争と中ソ対立という状況の中で、1971年7月に極秘裡に北京を訪問しニクソン大統領の訪中への道を開き世界中を驚かせました。1973年1月パリで北ヴェトナムと秘密会談を行い和平協定を締結、ヴェトナム戦争を収束させました。また1972年5月ニクソン大統領とともに訪ソしSALTⅠをまとめ、1975年8月SALTⅡを合意するなどデタント政策も展開しました。1974年5月キッシンジャーはイスラエルとシリアの休戦を調停して中東和平にも努力し、1974年夏キプロス危機の回避にも努めています。キッシンジャーは冷戦から緊張緩和への外交政策転換に貢献しました。
本コレクションは日付順に整理された、1969年1月21日から1974年8月8日の間のキッシンジャーの電話会談を音訳した記録で、危機への対応、外交上の決断を明らかにしています。マスコミ関係、議会関係、政府諸機関スタッフと交わされた外交政策上の諸局面、個人的な問題、NSCや国務省の運営上の問題などがここに露わに示されています。【世界の指導者たちとの会談】 キッシンジャーとニクソン大統領間の会談のほかに、世界の指導者、例えば英国のヒース首相(1970.6-1974.3)、イスラエルのゴルダ・メイアー首相(1969-1974)など各国の首脳やエジプトのファーミー外相など各国の外交責任者や大使などとの会談が含まれています。【議会や政府機関指導者との会談】 J.W.フルブライト上院議員など議会の指導者、後の大統領のジェラルド・フォードやロナルド・レーガン、メルヴィン・アード、エリオット・リチャードソン、ジェームズ・シュレジンジャー各国防長官、連邦政府閣僚、ケネス・ラッシュ国防副長官、ジョセフ・シスコ国務次官、ハルデマン補佐官などホワイトハウスのスタッフ、国家安全保障会議のメンバー、友人やハーバード大学のかつての同僚たち、【有名人やメディア関係】 フランク・シナトラ、ボブ・ホープ、ジョン・ウエイン、ダニー・ケイ、ウォーレン・ビーティー、リサ・ミネリなど、ジャーナリストのジョセフ・アルソップ、トーマス・ブラッデン、ローランド・エヴァンス、バーバラ・ウォルターズなどとの会談が収められています。
本コレクションは、世界の動向と<キッシンジャー外交>の内実を明らかにするもので、70年代アメリカの政治、外交政策、国際関係の研究にとって必須の資料といえます。
・ISBN 978-0-88692-817-9 microfilm