出版社 | (UPA, US) |
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出版年 | 2013 |
ニュース番号 | <K14-15> |
下院非米活動委員会(通称 ダイズ委員会)は1938年にM.ダイズJr.を議長とし、米国政府に対する背信、スパイ活動やその他破壊活動を調査するため連邦議会下院に特別委員会として設置されました。ダイズ委員会は、冷戦期における急進左派の調査でよく知られるところですが、第二次世界大戦期の1941年7月には、米国に居住する日系米国人および日本人の調査に乗り出し、在米日本人による非米活動に関する「画期的な証拠」を収集したと主張したのです。本資料集は、大戦前および大戦中における日本および日系米国人に向けられていた米国側の見解を知る手掛かりを提供してくれます。
本資料集は、主に第二次世界大戦期における日系米国人の背信を証明するためにダイズ委員会により収集された証言記録やその他の米国国立公文書館所蔵の資料をマイクロフィルムにしたものです。委員会は日系米国人の抑留を目的として、在米日本人の日常生活や活動、諸団体の綿密な調査に着手しました。本資料集には、宗教・武術団体、地元紙、その他疑いのかかった組織のプロパガンダや記事が収録されています。日系人に焦点を当てた資料に加えて、産業別組合会議(CIO)のようなユニオンと共産党に関する資料も同様に収録されています。なぜなら、委員会の見解として、日系人に対して同情的だった両組織にも疑いの眼差しが向けられていたからです。中でも目を引く資料として、日系人の抑留に関する米国内世論の記事が挙げられます。本資料集には、日本人に不利な証言を積極的に行った米国市民からの書状が含まれる一方、米国内に生まれ、生活を送る日系人を非難することに対して反対ないしは口をつぐむ市民がいたことを明らかにする資料も含まれているのです。概して、ダイズ委員会の収集記録は、第二次世界大戦期の在米日本人や日系米国人の置かれていた状況に対する知見を提供してくれます。
・ISBN 978-1-60205-233-8 microfilm