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The International Women's Movement: The Pan Pacific Southeast Asia Women's Association of the USA, 1950-1985.


国際女性運動:汎太平洋/東南アジア婦人協会

◆アジア・太平洋地域の女性と米国の女性の国際理解と友情を強化するために創設

 「汎太平洋婦人協会」として知られていた「汎太平洋/東南アジア婦人協会」は1930年にアジア・太平洋地域の女性と米国の女性の国際理解と友情を強化するために創設されました。当団体は社会・経済・文化的条件の向上と研究、たとえば、太平洋・アジア関連の研究への関与や、太平洋・アジア地域からの短期居住者や訪問者へのもてなし、教育的社会的関心についてのプログラムの提供、アジア太平洋地域の習慣や文化についての論説にかかわることで、これら地域の女性間の協力を促進させました。

 汎太平洋/東南アジア婦人協会(PPSEAWA)はハワイ州ホノルルで、「すべての太平洋地域国家の女性間にさらなる理解と友情を促進することで、太平洋地域の人々の間の平和の絆を強める」という目的のもと、1930年に創設されました(1928年の第一回汎太平洋婦人会議には、日本から市川房江ら20人が参加。ノーベル平和賞を受賞したジェーン・アダムズが議長。第二回会議で当協会を結成)。女性活動家は環太平洋のあらゆる地域で「現状の改善と研究のため、協力を促進」することを試みました。当協会は当初、開催する国際会議において各国代表が情報交換をし、国際的な女性問題に関する認識を高めることをもって主な活動としていました。

 この国際組織のアメリカ支部(本コレクションの記録の大半を占める存在であるPPSEAWA-USA)はニューヨークからカリフォルニア州ストックトン、ジョージア州バルドスタにいたるまで、全米の都市に支部をもっています。PPSEAWAがアメリカと環太平洋諸国間の強い連携を促進していた国際的組織の一つであった1950年代から1960年代にかけては、オハイオ州トレド支部(オハイオ州北西部に位置する工業都市。自動車産業発達に伴って、ガラス産業で発展)とニューヨーク支部がアメリカの中で最も精力的に活動するようになっていました。

 1950年代初頭には、PPSEAWAは国連とUNESCOにおいて、非政府組織として諮問資格(経済社会理事会に参加するNGOに対して、国連の活動に対する貢献度に応じて与えられる資格)を確立しました。PPSEAWAは政治的団体を目指していたわけではありませんが、そのネットワークは自由主義的冷戦期外交政策に影響を及ぼし、また自身もその影響を受けました。「専門家やフェミニストではない、意見や実際の経験を交換することに興味を持っている」女性同士を集めるという「優れた役割」を果たしていると宣言し、PPSEAWA-USAは外交官や文化使節とクラブ会員である女性活動家を引き合わせるプログラムに出資しました。講演会やファッションショーなどのイベントは、個人的な交流とともに異文化理解の育成を意図して計画されました。

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