イングランドにおける魔術と魔法 1400~1920年
悪魔・呪術・裁判記録 ― 近世社会の“闇”を可視化する
魔術の実践は何世紀にもわたる歴史を持ちますが、現代においても私たちは魔法の可能性に魅了され続けています。魔女は多様な時代と形態において存在し、文化的に重要で多面的な存在として、法的・宗教的・政治的・社会的な厳しい監視の対象となってきました。本コレクションは57,000点を超える画像を収録し、5世紀にわたるイングランドの魔術と魔法の変遷をたどる独自の資料群です。英国国立公文書館や大英図書館などの所蔵資料を基に構成されており、信仰、ジェンダー、医療、政治、宗教、科学といった多様な主題を横断的に探究します。
本コレクションはまず、中世後期の思想や文学における「魔女」概念に焦点を当てます。この時代には、占星術、儀礼魔術、迷信、宗教、健康や治療に関する理論といった長く続く諸信念が互いに競合しつつも、概して共存していました。続いて1450年以降の時代を扱い、魔術に対する態度の変化が法制度や世俗社会に影響を及ぼし、魔女と見なされた人々への告発や迫害が増加した過程を検討します。この傾向は、宗教的動乱、政治的変動、地域社会における緊張と結びついており、印刷文化の発展によって論争や恐怖、敵意が煽られていきました。特に本コレクションには、近世初期の魔女裁判に関する巡回裁判記録(アサイズ記録)や、被告(主に女性)を逸脱した社会的存在として描くパンフレットや印刷物が収録されています。
一方で、これらの文書群は疑いの対象から逃れた人々にも光を当てています。すなわち、社会的エリートや「賢者(カニング・フォーク)」、さらには「正当な魔術」を実践した医療従事者などです。実際、本コレクションには錬金術文書、占星暦、薬草書なども多数含まれています。19世紀から20世紀初頭にかけては、魔術・神秘主義・魔女研究が広く学術的関心を集めるようになり、これらの主題に魅了された研究者や秘教的結社に関わる人々による文献も豊富に収録されています。
学際的な視点を基盤とし、時代的にも資料的にも広範な範囲をカバーする本コレクションは、人類学、文学研究、哲学、社会学、宗教学、女性学など多様な分野の学生・教育者・研究者にとって有用です。また、思想史や科学史、さらには社会史・文化史・政治史といった歴史学の諸分野に携わる研究者にとっても、大きな関心を引く内容となっています。
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