株式会社極東書店トップ > 商品一覧 > The Newspaper Cuttings Files of the Council of Foreign Bondholders, 1870s - 1980s . From the Guildhall Library, London. 35mm silver positive microfilm 282 reels with online guide.
商品詳細
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解説
「外債保有者協会というのは、19世紀を通じて最大の海外投資国であったイギリスで1868年に結成された海外投資家の団体である。その成立の契機となったのは、1860年代にアメリカ合衆国の鉄道会社が激しい競争の中で整理・統合の局面をむかえたとき、最大の債権国であったイギリス投資家たちの権利や優先権が必ずしも尊重されず、不利益を蒙った事態に対処するためであったといわれる。爾来この団体は、イギリス投資家の保有する海外公社債に関し債務不履行などの問題が生じたさい、かれら外債保有者の法的権利を擁護するために、交渉や訴訟の代理人として活動したのであった。
もうひとつ、この協会の重要な仕事は、統計的な情報を収集する事務局を設け、投資家たちが利害関係をもつ世界中のすべての国々や企業の経済状態に関する情報を提供することであった。そして、本資料-世界各国の経済情勢に関する新聞記事のスクラップ・ブックは、まさにそのための基礎として用いられたものであろう。スクラップされている新聞は、Times, Daily Telegraph, The Standard, The Morning Post, The Daily News, The Financiers, The Bullionist, The Money Market Review, Bondholders Registers, The Economistなどイギリスの一般紙・経済誌紙をはじめ、合衆国その他各地で発行されていた多くの英字新聞を含んでいる。切抜かれている記事の対象は、文字通り世界中の全地域に及んでおり、時期は、地域によって異なるが、1870年代から20世紀はじめを中心に、場合によっては第二次大戦までカバーしている。資料の概要を示す一助として、各地域ごとのリール数と対象時期を記しておこう(ただし、国ごとに扱われている時期は異なっている)。
アフリカ 1874年~1912年 5リール
中南米 1872年~1968年 117リール
北米 1871年~1935年 25リール
アジア 1874年~1930年 3リール
英植民地及び英連邦 1872年~1935年 27リール
ヨーロッパ 1872年~1968年 50リール
中東 1870年~1964年 31リール
太平洋島嶼 1874年~1888年 2リール
合 計 260リール
以上のように、この資料は、いわばスクラップ・ブックをそのまま写真にとったものであるから、書物の形に編集された資料集のようには必ずしも整理されていない。しかし、各地域ないし各国ごとの巻の冒頭に、精粗の差はあるが手書きで記入された簡単な索引がつけられている。たとえば、第170巻に収められている日本の部には、政府借款、鉄道借款、内閣、金融、雑記事、予算、貿易、金の発見、朝鮮借款、日英協定、対中条約、南満州鉄道借款、駐英大使といった見出しが記入されており、それぞれの所収ページが列挙されている。他の地域に関する各巻の冒頭にもほぼ同様の記入があるので、これを頼りに必要事項を検索することがある程度可能である。
さて、この資料は研究上どのような価値があるだろうか。率直にいって、260リールの全部をくまなく検討したわけではないので、断定的なことはいえないが、本資料は1870年代以降の世界経済史および各国経済事情に関する同時代的な記述としてきわめて貴重であり、実に多くの角度から利用可能であると思われる。なかでも、イギリス投資家の投資対象となった案件についてかなり具体的な記述があるので、イギリス海外投資の研究にさいし、二次的文献では知りえない事実をつきとめる助けとなるであろうし、また時あたかもイギリスをはじめ列強によるアフリカ分割の開始された時期でもあり、アフリカ植民地領有に関する当時の新聞論調を直接知ることができるので、海外投資のみならず、ひろくイギリス帝国史の研究にとっても有意義な資料たりうるであろう。もっとも、本格的な研究のためと肩を張らないで、明治末期以降の日本の政治・経済の動きがイギリスの新聞によってどのようにとらえられていたかを、フィルムを追いながら読んでゆくだけでも、自国の歴史について新しい知見をうることができて大変興味深い。
ともあれ、本資料は先述のようにスクラップ・ブックの写真版なので、その利用には相当の根気がいるが、各方面の関心ある方々にひろく活用していただきたいものである。」
(東京大学附属図書館報『図書館の窓』:資料紹介Vol. 23 No.4/1984.4, 経済学部教授 森田桐郎)
もうひとつ、この協会の重要な仕事は、統計的な情報を収集する事務局を設け、投資家たちが利害関係をもつ世界中のすべての国々や企業の経済状態に関する情報を提供することであった。そして、本資料-世界各国の経済情勢に関する新聞記事のスクラップ・ブックは、まさにそのための基礎として用いられたものであろう。スクラップされている新聞は、Times, Daily Telegraph, The Standard, The Morning Post, The Daily News, The Financiers, The Bullionist, The Money Market Review, Bondholders Registers, The Economistなどイギリスの一般紙・経済誌紙をはじめ、合衆国その他各地で発行されていた多くの英字新聞を含んでいる。切抜かれている記事の対象は、文字通り世界中の全地域に及んでおり、時期は、地域によって異なるが、1870年代から20世紀はじめを中心に、場合によっては第二次大戦までカバーしている。資料の概要を示す一助として、各地域ごとのリール数と対象時期を記しておこう(ただし、国ごとに扱われている時期は異なっている)。
アフリカ 1874年~1912年 5リール
中南米 1872年~1968年 117リール
北米 1871年~1935年 25リール
アジア 1874年~1930年 3リール
英植民地及び英連邦 1872年~1935年 27リール
ヨーロッパ 1872年~1968年 50リール
中東 1870年~1964年 31リール
太平洋島嶼 1874年~1888年 2リール
合 計 260リール
以上のように、この資料は、いわばスクラップ・ブックをそのまま写真にとったものであるから、書物の形に編集された資料集のようには必ずしも整理されていない。しかし、各地域ないし各国ごとの巻の冒頭に、精粗の差はあるが手書きで記入された簡単な索引がつけられている。たとえば、第170巻に収められている日本の部には、政府借款、鉄道借款、内閣、金融、雑記事、予算、貿易、金の発見、朝鮮借款、日英協定、対中条約、南満州鉄道借款、駐英大使といった見出しが記入されており、それぞれの所収ページが列挙されている。他の地域に関する各巻の冒頭にもほぼ同様の記入があるので、これを頼りに必要事項を検索することがある程度可能である。
さて、この資料は研究上どのような価値があるだろうか。率直にいって、260リールの全部をくまなく検討したわけではないので、断定的なことはいえないが、本資料は1870年代以降の世界経済史および各国経済事情に関する同時代的な記述としてきわめて貴重であり、実に多くの角度から利用可能であると思われる。なかでも、イギリス投資家の投資対象となった案件についてかなり具体的な記述があるので、イギリス海外投資の研究にさいし、二次的文献では知りえない事実をつきとめる助けとなるであろうし、また時あたかもイギリスをはじめ列強によるアフリカ分割の開始された時期でもあり、アフリカ植民地領有に関する当時の新聞論調を直接知ることができるので、海外投資のみならず、ひろくイギリス帝国史の研究にとっても有意義な資料たりうるであろう。もっとも、本格的な研究のためと肩を張らないで、明治末期以降の日本の政治・経済の動きがイギリスの新聞によってどのようにとらえられていたかを、フィルムを追いながら読んでゆくだけでも、自国の歴史について新しい知見をうることができて大変興味深い。
ともあれ、本資料は先述のようにスクラップ・ブックの写真版なので、その利用には相当の根気がいるが、各方面の関心ある方々にひろく活用していただきたいものである。」
(東京大学附属図書館報『図書館の窓』:資料紹介Vol. 23 No.4/1984.4, 経済学部教授 森田桐郎)