株式会社極東書店トップ > 商品一覧 > Intellectual Legacy of Management Theory. : Series 5: Organization Theory. 7 vols.
商品詳細
解説
かつて組織の研究は経営学の一分野、経営組織の研究であった。しかし、今や、組織研究は経営学の基礎理論、いやむしろ経営研究が組織研究の一分野であるといっても過言ではない。組織科学と経営学の間のこのような変転を踏まえて、第6回配本は構成されている。なお、この「経営学 知の遺産」シリーズでは、取り上げられる文献は、経営学研究の資料として極めて価値の高いもので、しかも国内大学図書館に所蔵されている点数が非常に少ないものに限定されている。
今回の配本の第1巻はA.H.チャーチの『マネジメントの科学と実践』(1914)である。オリジナルの国内所蔵はわずか11点である。経営学の先駆者の一人であるチャーチは、通常、原価管理論の創始者と位置付けられている。しかし彼の研究の真骨頂は、本書に見られるように、原価管理の研究から製造業における組織化機能の究明へと進み、組織の経営政策決定機能とその実行機能の存在に注目して組織の研究を展開したところにある。彼こそ、組織研究のパイオニアーである。
第2巻は、同じくイギリスの研究者、当年とって95歳の現役、E.F.L.ブレックの『組織:マネジメントの枠組み』(1957)である。彼はアーウイックと比肩される著名なコンサルタントでありながら、82歳で大学院博士課程に入学し、85歳でPhDを取得した碩学である。伝統的経営学の代表者の一人である彼が組織化の諸原則を明示した本書は、かつて欧米の大学での経営学の標準的なテキストであった。それにもかかわらず時代状況もあって、国内の大学図書館の所蔵がゼロの、稀覯本である。
周知のクーンツの学派分類によれば、第3巻で取り上げるアーネスト・デールは経験学派の代表者である。だが、彼の主張の特徴は、管理原則の普遍性を経験に基づききっぱりと否定したところにあり、本シリーズ第4回配本のプロセス・スクールとは明確に一線を画している。しかも彼はその著作『組織』(1967)において、マネジメントのIT化が始まる以前に、いち早くコンピュータの組織と管理に及ぼす影響に注目して調査研究した先駆者であるが、この点はほとんど無視されている。
組織研究の諸問題の一つに官僚制の問題がある。この重要な問題の研究の突破口を切り拓いたのは、いうまでもなくマックス・ウエーバーである。第4巻は、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』とともに彼の代表作である、通称『支配の諸類型』、その定評のあるパーソンズによる英訳である。本書は、科学方法論としての「理念型」の解釈、組織あるいはオーソリティーの概念をめぐる議論における必見の文献である。
一世を風靡したテイラーの能率の科学からバーナードの協働の科学への過渡期にM.P.フォレットがいる。彼女の死後、メトカーフとアーウイックによって編纂された彼女の論文集『ダイナミック・アドミニストレーション:フォレット論文集』(1941)が第5巻である。ヨーロッパの教養に裏打ちされた、彼女の協働の論理は非常に魅力的である。この版の国内所蔵は意外に少ない。
第6巻は、近代組織論の創始者、チェスター・I・バーナードの主著『経営者の役割』である。周知のこの作品によって、経営学はコペルニクス的転換を遂げたとされる。しかし、本巻に補遺として収めた彼の未刊の論稿「ヘンダーソン『具体社会学』への序文」は、本邦初見の資料である。欧米よりも格段にレベルの高いわが国のバーナード研究においても、ハーバード経営大学院のアーカイヴ所蔵のこの資料が取り上げられ、言及されることは非常に少ない。バーナード理論を徹底的に研究しようとするなら、彼の科学方法論は当然検討されるべきであり、その際の研究者必見の資料である。
第7巻は、意思決定の科学の端緒を切り拓いたハーバート・サイモンのノーベル経済学賞受賞作、『経営行動』である。バーナードによって確立された組織科学としての経営学は、さらにサイモンによって意思決定の科学としての経営学に組み替えられ、その展開として今日の経営学がある。その点からすれば、図書館必置の非常に意義のある作品であるが、国内図書館所蔵はわずかである。
経営学史学会前理事長
日本経営学会理事
青森公立大学学長 佐々木恒男
今回の配本の第1巻はA.H.チャーチの『マネジメントの科学と実践』(1914)である。オリジナルの国内所蔵はわずか11点である。経営学の先駆者の一人であるチャーチは、通常、原価管理論の創始者と位置付けられている。しかし彼の研究の真骨頂は、本書に見られるように、原価管理の研究から製造業における組織化機能の究明へと進み、組織の経営政策決定機能とその実行機能の存在に注目して組織の研究を展開したところにある。彼こそ、組織研究のパイオニアーである。
第2巻は、同じくイギリスの研究者、当年とって95歳の現役、E.F.L.ブレックの『組織:マネジメントの枠組み』(1957)である。彼はアーウイックと比肩される著名なコンサルタントでありながら、82歳で大学院博士課程に入学し、85歳でPhDを取得した碩学である。伝統的経営学の代表者の一人である彼が組織化の諸原則を明示した本書は、かつて欧米の大学での経営学の標準的なテキストであった。それにもかかわらず時代状況もあって、国内の大学図書館の所蔵がゼロの、稀覯本である。
周知のクーンツの学派分類によれば、第3巻で取り上げるアーネスト・デールは経験学派の代表者である。だが、彼の主張の特徴は、管理原則の普遍性を経験に基づききっぱりと否定したところにあり、本シリーズ第4回配本のプロセス・スクールとは明確に一線を画している。しかも彼はその著作『組織』(1967)において、マネジメントのIT化が始まる以前に、いち早くコンピュータの組織と管理に及ぼす影響に注目して調査研究した先駆者であるが、この点はほとんど無視されている。
組織研究の諸問題の一つに官僚制の問題がある。この重要な問題の研究の突破口を切り拓いたのは、いうまでもなくマックス・ウエーバーである。第4巻は、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』とともに彼の代表作である、通称『支配の諸類型』、その定評のあるパーソンズによる英訳である。本書は、科学方法論としての「理念型」の解釈、組織あるいはオーソリティーの概念をめぐる議論における必見の文献である。
一世を風靡したテイラーの能率の科学からバーナードの協働の科学への過渡期にM.P.フォレットがいる。彼女の死後、メトカーフとアーウイックによって編纂された彼女の論文集『ダイナミック・アドミニストレーション:フォレット論文集』(1941)が第5巻である。ヨーロッパの教養に裏打ちされた、彼女の協働の論理は非常に魅力的である。この版の国内所蔵は意外に少ない。
第6巻は、近代組織論の創始者、チェスター・I・バーナードの主著『経営者の役割』である。周知のこの作品によって、経営学はコペルニクス的転換を遂げたとされる。しかし、本巻に補遺として収めた彼の未刊の論稿「ヘンダーソン『具体社会学』への序文」は、本邦初見の資料である。欧米よりも格段にレベルの高いわが国のバーナード研究においても、ハーバード経営大学院のアーカイヴ所蔵のこの資料が取り上げられ、言及されることは非常に少ない。バーナード理論を徹底的に研究しようとするなら、彼の科学方法論は当然検討されるべきであり、その際の研究者必見の資料である。
第7巻は、意思決定の科学の端緒を切り拓いたハーバート・サイモンのノーベル経済学賞受賞作、『経営行動』である。バーナードによって確立された組織科学としての経営学は、さらにサイモンによって意思決定の科学としての経営学に組み替えられ、その展開として今日の経営学がある。その点からすれば、図書館必置の非常に意義のある作品であるが、国内図書館所蔵はわずかである。
経営学史学会前理事長
日本経営学会理事
青森公立大学学長 佐々木恒男