株式会社極東書店トップ > 商品一覧 > Legislative History of the Balanced Budget Act of 1997 . 44 vols. Comp. by W. H. Manz. Reprint.
商品詳細
解説
米国の1998会計年度(97年10月~98年9月)財政収支は前年度の219億ドルの赤字から一転して700億ドルの黒字に転じました。実に29年ぶりの黒字達成です。
米国の財政赤字は80年代前半に、大幅減税を中心としたレーガノミックスから急増し、80年代半ばには経常収支赤字とともに「双子の赤字」として大きな問題でした。赤字削減の試みはレーガン政権2期目から繰り返されてきましたが失敗の連続で、85年財政収支均衡法(1985年グラム=ラドマン=ホリングス法)、87年同改正法、90年包括財政調整法と努力が重ねられましたが財政赤字拡大はとどまらず毎年2000億ドル前後の赤字が続きます。
共和党優位の連邦議会は老人や低所得者向け医療補助の大幅削減を主張し、弱者救済の立場からこれに反対するクリントン政権(1993年1月就任)と鋭く対立してきました。クリントンのもとで、93年包括財政調整法が制定され、さらに1997年8月に財政均衡計画法が議会を通過しました(クリントンは3項目に個別条項拒否権を行使)。
この「1997年財政均衡計画法」は、税制、健康保険制度、児童福祉、教育、社会保障なども含む多くの重要な分野に深く関わる内容をもっています。歳入関連法案と歳出関連法案とで構成され、歳入関連では、当初の5年間に950億ドルの減税と、続く10年間に2750億ドルの減税、扶養税額控除の創設(中産階級向けの子供一人あたり500ドルの控除)、低中所得者向け教育減税、キャピタルゲイン(資産譲渡益)課税の最高税率引き下げが中心です。
歳出関連の、メディケアー(高齢者・障害者向けの医療保険制度)に関しては、今後5年間に計1150億ドルの高齢者医療費削減、保険料の増額、高齢者・ガン患者への給付金の増額などがあり、メディケイド(低所得者・身体障害者に対する医療保険制度)と児童保健の分野では、今後5年間に104億ドルの削減、福祉面では、長期受給者の労働復帰への援助基金の創設、96年8月以降の合法移民入国者に対する補足的所得保障(SSI)適格認定、生活扶助者向け食料割引券のカット、生活保護に6000億ドルなどが実施計画とされています。
上述の98会計年度の黒字転換については種々の議論がありますが、クリントン政権による高所得層の増税と歳出削減、好調な景気回復による歳入の増加、社会保障関連支出の低下、軍事費の削減などが説明されています。
「1997年財政均衡計画法」は、2002年度までの財政黒字転換と1981年のレーガン減税以来の大型減税を同時にめざしたもので、連邦財政をこれまで難問とされてきた赤字脱皮の道筋に乗せただけでなく、民主・共和両党それぞれが自らの成果を唱う機会を与えることになりました。クリントンは自らの経済戦略の成果であると力説し、一方共和党は長年にわたる(レーガン、ブッシュと12年間政権を担当した)努力が結実したものと主張しています。本資料集は議会での討議内容や関連資料も広く収録したもので、日本経済の現状を研究する上でも重要参考資料として有用です。
米国の財政赤字は80年代前半に、大幅減税を中心としたレーガノミックスから急増し、80年代半ばには経常収支赤字とともに「双子の赤字」として大きな問題でした。赤字削減の試みはレーガン政権2期目から繰り返されてきましたが失敗の連続で、85年財政収支均衡法(1985年グラム=ラドマン=ホリングス法)、87年同改正法、90年包括財政調整法と努力が重ねられましたが財政赤字拡大はとどまらず毎年2000億ドル前後の赤字が続きます。
共和党優位の連邦議会は老人や低所得者向け医療補助の大幅削減を主張し、弱者救済の立場からこれに反対するクリントン政権(1993年1月就任)と鋭く対立してきました。クリントンのもとで、93年包括財政調整法が制定され、さらに1997年8月に財政均衡計画法が議会を通過しました(クリントンは3項目に個別条項拒否権を行使)。
この「1997年財政均衡計画法」は、税制、健康保険制度、児童福祉、教育、社会保障なども含む多くの重要な分野に深く関わる内容をもっています。歳入関連法案と歳出関連法案とで構成され、歳入関連では、当初の5年間に950億ドルの減税と、続く10年間に2750億ドルの減税、扶養税額控除の創設(中産階級向けの子供一人あたり500ドルの控除)、低中所得者向け教育減税、キャピタルゲイン(資産譲渡益)課税の最高税率引き下げが中心です。
歳出関連の、メディケアー(高齢者・障害者向けの医療保険制度)に関しては、今後5年間に計1150億ドルの高齢者医療費削減、保険料の増額、高齢者・ガン患者への給付金の増額などがあり、メディケイド(低所得者・身体障害者に対する医療保険制度)と児童保健の分野では、今後5年間に104億ドルの削減、福祉面では、長期受給者の労働復帰への援助基金の創設、96年8月以降の合法移民入国者に対する補足的所得保障(SSI)適格認定、生活扶助者向け食料割引券のカット、生活保護に6000億ドルなどが実施計画とされています。
上述の98会計年度の黒字転換については種々の議論がありますが、クリントン政権による高所得層の増税と歳出削減、好調な景気回復による歳入の増加、社会保障関連支出の低下、軍事費の削減などが説明されています。
「1997年財政均衡計画法」は、2002年度までの財政黒字転換と1981年のレーガン減税以来の大型減税を同時にめざしたもので、連邦財政をこれまで難問とされてきた赤字脱皮の道筋に乗せただけでなく、民主・共和両党それぞれが自らの成果を唱う機会を与えることになりました。クリントンは自らの経済戦略の成果であると力説し、一方共和党は長年にわたる(レーガン、ブッシュと12年間政権を担当した)努力が結実したものと主張しています。本資料集は議会での討議内容や関連資料も広く収録したもので、日本経済の現状を研究する上でも重要参考資料として有用です。