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   リルジェグレン『ジェイムズ・ハリントンの"オシアーナ"』
ルント/ハイデルベルク 1924年刊
 
James Harrington's Oceana: Edited with notes by S. B. Liljegren. Lund, G. W. K. Gellrup/Heidelberg, Carl Winters, 1924. Reprint.
著者・編者: Liljegren, Sven Bodmer,
出版社: (Kyokuto Shoten, JA)
出版年: 2012年
ページ数: xxii, 372 pp.
ISBN:  978-4-87394-021-2
装丁・価格:
cloth  \33,000.- (税込) * [在庫]
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イングランド17世紀は、ホッブズ『レヴァイアサン』(1651年)とロック『統治二論』(1690、1694、1698年)という政治思想史におけるイングランド語で書かれた、二大古典を生んだが、もう一点、忘れてならない古典がある。それがジェイムズ・ハリントン『オシアーナ』(1656年)である。これは、1656年にPakemanとStreaterの二人の出版者によって二種の初版が刊行された。これ以後、ジョン・トランド(John Toland)が著作集 The Oceana and the other Works を編んで1700年に刊行、これが引き継がれて、ダブリン版が1737、1758年、ロンドン版が1747、1771年に刊行された。特筆すべきは1771年版で、これはいわゆるホリス(Hollis)版である。これは1963年にScientia社から原型通りに復刻された。
 さて1771年版以後、著作集という形をとって現れるのは、1977年、長文の序論を付したジョン・ポーコックによるThe Political Works of James Harrington, edited with an introduction (Cambridge U.P.) の刊行であった。この間、実に200年を閲する。彼は、又、1992年に『オシアーナ』ともう一本小論を加えて、学生用テキストを刊行している(Cambridge Text in the History of Political Thought)。そしてこの間にイングランドではMorley's Universal Libraryシリーズ53としてHenry Morleyの序文付きで The Commonwealth of Oceana' が1887年に一般向けに出され、これが流布した。又、1955年にはCharles BlitzerによってHarrington, His Political Writings, Representative Selections が合衆国でThe Library of Liberal Artsの一冊として刊行されている。こういう刊行史のなかで、ひときわ光彩を放つのが、今回、復刻されたJames Harrington's Oceana, edited with an introduction by S. B. Liljegren (Lund, Heidelberg, 1924) である。モーレイ版が流布する惨状を嘆き、いきどおったリルジェグレンは、チューダー期、
ヘンリー八世による宗教改革以後の「教会財産の没収」をテーマに学位をとったスウェーデンの研究者である。彼はこの主題がハリントン解釈のカギとなり、それが、又イングランド史解釈の争点、例えば(「ジェントリー論争」)に関わることから、『オシアーナ』の解釈に向ったのは当然といえる。彼の『オシアーナ』注釈は、他の例のない徹底したものとなった。彼が参照した古典、同時代文献は 'Bibliography, List of Works Consulted' として8頁に渡るおびただしい数にのぼる。これだけでも一読に値するが、本文に付した注記は本文226頁に対して227頁から372頁に及ぶものである。もちろん、現在の時点で訂正されるべきものもあろうが、それ自体が大仕事である。
 リルジェグレンによるこの『オシアーナ』テキスト校注は唯一のものであって、これに比肩する仕事は他にない。これが、この版を、他をもって代えがたいものにしている。ポーコック版「著作集」の献辞には、彼の名前があがっている。ラズレット版ロック『統治論』(1960年)に負けないとさえいえるものである。ホッブズ、ロックに比してきわめて特異な形をとった作品('a Political Romance')として注目されながら不当な扱いを受けてきたといえる。その意味で、早世した福田有広の Arihiro Fukuda, Sovereignty and the Sword: Harrington, Hobbes, and Mixed Government in the English Civil Wars (Clar-endon Press, Oxford, 1997) は、ポーコックの成果を踏まえたハリントン研究・内乱研究史において日本の若い研究者が英語圏に衝撃を与えた記念すべき作品であった。
 ともあれ、酸性紙で劣化した、リルジェグレン版を消滅させない為に試みられた今回の復刻の意味はきわめて大きいといわなければならない。(佐々木武)




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