| 会社案内 | ご利用案内 | 個人情報保護方針 | 特定商取引法に基づく表記 | Q&A | カタログから注文 | カード決済窓口 | お問い合わせ | HOME | English |
 詳細検索
商品数0点 合計\0
  
   『経営学 知の遺産』 シリーズ7 『コンティンジェンシー・セオリー』 全6巻 
Intellectual Legacy of Management Theory.. Series 7: Contingency Theory of Organisation. 6 vols.
著者・編者: Wren, Daniel A. / Sasaki, Tsuneo (eds.),
出版社: (Pickering & Chatto, UK)
出版年: 2007年
ページ数: -
ISBN:  978-1-85196-950-0
装丁・価格:
在庫!! hard set  価格はお問い合わせ下さい
お問い合わせはこちら
「経営学の知の遺産シリーズ」第9回配本として取り上げるのは、1960年代から70年代にかけて、組織とマネジメントの研究を席巻したコンティンジェンシー・セオリーの古典的名著全6巻である。
コンティンジェンシー・セオリーは方法論的には、組織を目的達成のための構造と捉える合理性モデルであり、組織とその環境との相互作用を重視するオープン・システム・モデルであり、組織と環境との適合性を追及するマネジメント論である。このような方法的特性をもつコンティンジェンシー・セオリーには、組織の内部環境要因である技術に注目する理論タイプとタスク環境の不確実性に注目する理論タイプ、そして環境と組織過程との適合性の設計を問題にする理論がある。このコレクションでは、最初の2つの理論タイプの代表作4点と、いささか議論の余地のある2点を取り上げる。
第1巻はJ. ウッドワードの『産業組織:理論と実際』(1965)である。彼女が1953年に始めたサウス・エセックス工業地帯の調査の最初の報告書は、第1巻のAppendixに収めたManagement and Technology(1958)である。この調査から彼女が導き出した結論は、生産技術の発展に伴って「技術の複雑性」も高度化するということ、「技術の複雑性」の高度化と組織構造特性とは直接的に比例しており、「技術の複雑性」の両極では、組織の構造特性は類似するということ、そして組織の構造特性の中位付近で、技術と組織構造の適合性が高く、組織の業績が良いということ、であった。
ウッドワードとともに、60年代のコンティンジェンシー・セオリー創出に貢献したのが、第2巻のバーンズ/ストーカー『イノベーションのマネジメント』(1961)である。彼らは1961年に約20社の調査を行い、機械的組織と有機的組織という対照的な組織概念を提起した。相対的に安定的な技術と市場の環境に適合的な機械的組織では、組織は階層的に構造化されており、垂直的なコミュニケーション関係を中心にマネジメントが行わる。これに対して、変化の激しい環境状況にある産業では有機的組織が有効であり、そこでは環境状況に合わせて組織目的が絶えず再定義され、組織活動が分化され、緩やかな縛りの下で水平的なコミュニケーション関係を中心にマネジメントが行われる。機械的組織vs.有機的組織は、コンティンジェンシー・セオリーを表徴するキーワードとなった。
組織が利用する技術や組織の構造特性といった組織の内部環境要因に注目した初期の研究に対して、次には組織の外部環境要因に注目する研究が現れる。その嚆矢が、コンティンジイェンシー・セオリーの名付け親であるローレンス/ローシュの『組織と環境:分化と統合のマネジメント』(1967)である。彼らは3つの産業分野の10社を調査し、組織のタスク環境の不確実性とそれに対応しようとする分化と統合の組織過程の適合性が組織の業績に与える影響の関係を問題とした。
単一製品ラインの企業の不確実な環境と組織構造の関係に関する彼らの研究は、その後、ローレンス/アレンによって多角化戦略を取り、複数製品ラインをもつ企業の組織構造の問題にまで拡大された。また、ローレンス/モースによって、各種職能部門で働く従業員のモティベーションの問題へと拡大された。
 第4巻はアストン・グループを代表するピュー/ヒックソン(編)『組織状況と組織構造』(1976)である。彼らは、さまざまな環境状況にある企業の組織構造を比較検討できるような計量的アプローチの理論枠組みを開発した。この研究プログラム1968年に終了し、研究の拠点をLondon Business Schoolに移して、新メンバーを加え、計量的アプローチのための大量のデータ収集と分析が行われた。アストン・グループは計量分析のために6つの組織構造変数、8つの環境状況変数、6つの業績変数を用い、これら変数間の関係を分析して、組織構造の決定要因は組織の規模であると結論づけた。彼らが開発した計量的組織研究の理論枠組みは、その後の多くの実証研究において利用されている。
 残りの2点は、コンティンジェンシー・セオリーとしては異端であるかもしれない。その一つ、第5巻は、セルズニックの『TVAとグラスルート:公式組織の社会学的研究』(1949)である。1929年の大恐慌対策として、30年代に入って、ローズベルト大統領によってニュー・ディール政策が打ち出された。その代表的なものの一つがテネシー河流域の工業化推進事業であり、そのためにテネシー河流域開発公社(TVA)が設立された。TVAという公式組織が地域開発に当たって住民の支持を得ようとするのは当然であるが、このような努力が住民エゴを誘発し、結果的には開発の理念を歪め、組織構造を解体させて、公益を著しく阻害するようになる。
 いつの時代にも、社会的諸制度は組織の構造と機能に大きな影響を及ぼす。TVAの諸活動を制約する制度的環境が組織に逆機能的に作用するようになり、このような敵対的環境状況と妥協しなければ、組織は存続できなくなる。マートン門下のセルズニックのTVA研究は、社会的制度という組織の環境状況と公式組織との相互作用を分析したものであり、コンティンジェンシー・セオリーが喧伝される以前の40年代末に、環境と組織の適合性を問題にしたパイオニアー的な組織研究であると見なすことができる。
 いま一つは第6巻、チャンドラーの系譜にあるルメルトの『戦略、構造、そして経済的成果』(1974)である。アメリカでは60年代から70年代にかけて、大企業の多角化政策が成熟期を迎え、そのような状況を背景にチャンドラーは「組織構造は戦略に従う」といった。企業は環境状況の変化に合わせて経営戦略を策定し、新しい戦略に適合するように組織構造を改編する。チャンドラー命題は、組織の環境状況と戦略、そして組織構造のダイナミックな相互連関を示唆しており、それは正しくコンティンジェンシー・セオリーそのものではないかと考えられる。このような視点から、戦略論研究であるルメルトの著作を敢えてこのコレクションに収める。




Copyright© 2003-2020 Kyokuto Shoten Ltd. All Right reserved.
極東書店ロゴ
東京都公安委員会 古物商許可番号301026800391