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   『経営学 知の遺産』 シリーズ6 『リーダーシップとモティベーション』
 Part 2 「モティベーション」 全7巻
 
Intellectual Legacy of Management Theory.. Series 6: Leadership and Motivation. Part 2: Motivation. 7 vols.
著者・編者: Wren, Daniel A. / Sasaki, Tsuneo (eds.),
出版社: (Pickering & Chatto, UK)
出版年: 2006年
ページ数: -
ISBN:  978-1-85196-856-5
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 企業や行政などあらゆる組織の職場で、どうすれば働く人たちにやる気を起こさせることができるかという動機づけ・モティベーションの問題は、古今東西どこでも問題となる永遠の課題である。したがって、モティベーション論の関連文献は玉石混合、枚挙に暇ないほどであるが、本シリーズ第8回配本の全7巻は、このモティベーション研究の古典的な名著を網羅している。
 まず第1巻は、モリス・ヴィテレスの『産業におけるモティベーションとモラール』である。彼はペンシルベニア大学の心理学の教授であり、産業心理学、職業指導、個人差テストの専門家であり、この分野のコンサルタントであった。彼はウオートン・スクールのMBAコースの学生たちに職業分類システムの開発や従業員選抜法の改善を教え、また政府機関でこれらの問題のコンサルタント活動を行った。本書は第2次大戦後各国で、人事・労務の専門書としてよく読まれた著作であるが、彼が取上げる従業員のモラール向上、従業員選抜、彼らの職務満足などの問題は、いつの時代でもあらゆる組織が直面している重要なマネジメント問題である。
 人間を行動に駆り立てる動機は多種多様であり、そこには低次元のものから高次元のものまで、順序性があるというのは、今日ではいわば常識となっている。それは理論的には、マズローの研究に基づいている。本シリーズの第2巻はマズローの『自己実現の経営』である。一般に、彼の代表作は『人間性の心理学』(Motivation and Per-sonality, 195)とされ、欲求の5段階説が彼の理論の特徴とされる。彼はチンパンジーなどの霊長類の研究からスタートし、そこから人間の欲求充足行動の研究、人間性心理学の理論研究へと移行していった。1962年夏、彼はマグレガーのY理論やドラッカー理論に基づいて経営されていたノンリニアー・システム社の社長から同社での研究に招かれ、どのようなマネージャーが健全で生産的な従業員を育て上げるのかを実際に観察し、記録を取った。その研究ノートがこのシリーズに収めた彼の著作であり、本書は彼のモティベーション論の真髄を示すものである。
 お金を使って能率を上げさせるというのは、古くからの従業員管理の常套手段であり、その効果については賛否両論がある。第3巻『賃金とモティベーション』は、T. N. ホワイトの賃金のインセンティブ効果に関する研究である。ヒューマン・リレーションズ研究の後発グループであるシカゴ・グループのメンバーである彼は、モティベーションにおける賃金の役割に関心を持ち、ホーソン実験での初期の説明を補強する強固な例証を打ち立てた。彼は職場を大規模な社会システムと捉え、マネージャーの役割は従業員の協働の増大であって、彼らの私的利益の増大ではないと考えた。本書は、賃金刺激有効説を否定する本格的な研究成果である。
 第4巻と第5巻はいずれも、達成動機論に関する著作である。達成動機論はマズローの欲求階層説を否定し、むしろ欲求の柔軟な変化を主張するとともに、達成動機は人間に生得的なものではなく、経験を通じて学習されるものであることを主張する。アトキンソンとフェザーの編著になる第4巻『達成動機の理論』は、達成動機論の立場での各種の実証テストの論稿を集成したところに価値がある。
これに対して、第5巻『達成動機』の著者マクレランドこそ、達成動機論の産みの親である。彼はマズローと同じく、30年代に多くの人間欲求を提示していたヘンリー・マレーの人間欲求論をベースに、学習された欲求理論ともいうべき達成動機論を提示した。彼によれば、達成動機は経験を通じて学習されるものであり、したがって個々人のもつ文化環境によって影響されるものであった。強い達成動機は起業者に特有のものであり、国家の経済成長の重要な一要因であるとされた。
 社会的動物である人間は、悟りを開いて泰然自若としてはいられない。常に自らの処遇を他者と比較し、満足したり、不満を抱いたりする。この点に注目したモティベーション論が第6巻、エリオット・ジャックスの『公正な賃金』である。彼は、他者と比較しての公平な処遇というのが人間の強い欲求であるとする。彼はイギリスのグレーシャー・メタル社で長年にわたって研究し、そこから公平理論と呼ばれるモティベーション論を確立した。この公平理論の特徴は、「裁量の時間幅」という概念にある。それは、決定あるいは行為の結果が見られるようになるまでに経過する時間量によって評価される能力の違いである。結果が出るまでに時間のかかる裁量の時間幅の大きな職務は大きな権限と責任を伴う重要な仕事であって、優れた職務能力を必要とし、したがってその担当者には高い賃金が支払われるのが正義に叶っているのである。至るところで悪しき平等主義が跋扈し、意欲的で有能な努力する人材が報われことの少ないわが国では、モティベーションの公平理論はとりわけ意味がある。
 最後の第7巻はヴルームの『仕事とモティベーション』である。彼が開発した期待理論は、それまでの多くのモティベーション論のように、何が人々を動機づけるのかではなく、どのようにして人々が動機づけられるのかという、動機づけのプロセスを説明するものである。この動機づけプロセスを解明するに当たって導入されたのが選択の理論であり、したがって彼の期待理論はモティベーションの選択理論という特徴をもつ。行為を選択するに当たって、行為者が期待する報酬と、それを獲得できる可能性、そしてその報酬が行為者自身にとってどの程度価値があり魅力的であるのか、これら要素の組み合わせによって、人間行動が選択されというのが、期待理論である。したがって、管理者の役割は、従業員が何に価値を置いているかを発見し、彼らの技能と努力でそれを獲得できる可能性を彼らに確信させることである、とされる。
日本経営学会理事
青森公立大学学長    佐々木恒男




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